「洗面所を独立させるか脱衣所と兼ねるか、最適な間取りにしたい」
「洗面所を独立させる間取りのメリット・デメリットを知りたい」
「高額な費用がかかる家づくりで後悔したくない」
このようなお悩みにお答えします。
近年、洗面所を独立させる間取りが人気を集めています。
快適な家をつくるために、自分のライフスタイルに最適な間取りを選びたいですよね。
そこでこの記事では、以下のように洗面台を独立させた間取りについて、わかりやすくまとめました。
- 洗面所を独立させる間取りのメリット・デメリット
- 洗面所を独立させる間取りがおすすめの3つのケース
- 洗面所を独立させる間取りの4つの成功ポイント
- 洗面所と脱衣所を分けた家事ラクな間取り例2選
ぜひこの記事を参考に、洗面所を独立させる間取りについて検討し、後悔のない家づくりを目指してください!
洗面所を独立させる間取りのメリット5選
洗面所を脱衣所と分けて独立させる間取りの主なメリットは、次の5つです。
- 洗面所や脱衣所をいつでも気兼ねなく使える
- 来客に洗面所を貸しやすい
- 混雑を避けられる
- 目的別に収納できて使い勝手がよくなる
- 洗面所をおしゃれな空間にできる
順に見ていきましょう。
1.洗面所や脱衣所をいつでも気兼ねなく使える
洗面所が独立していれば、家族が入浴中でも遠慮せず、いつでも気兼ねなく使えます。
自分が浴室や脱衣所を使用しているときも、「誰かが入ってくるかも」といった心配がいりません。
家族がそれぞれ好きなタイミングで洗面所や脱衣所を使えるので、時間を合わせたり使えるまで待ったりするストレスがなく、円満に暮らせます。
2.来客に洗面所を貸しやすい
独立している洗面所は、来客に貸しやすくスムーズに案内できます。
脱衣所は洗濯機や洗濯物などでごちゃごちゃしがちですが、扉を閉めておけば来客の目に触れません。
あわてて片付ける手間もかからず、来客にも気軽に使ってもらえます。
3.混雑を避けられる
洗面所と脱衣所が分かれている間取りは、混雑を緩和できるのもメリットです。
洗面所と脱衣所には、次のようにさまざまな用途があります。
- 手を洗う
- うがいをする
- 歯をみがく
- 化粧をする
- 髪を乾かす
- 身だしなみを整える
- 入浴前に服を脱ぐ
- 着替える
- 洗濯をする
洗面所が脱衣所を兼ねていると、これらの目的のために家族がひとつのスペースに集まるため、混雑します。
浴室の湯気で鏡が曇って使いにくさを感じることもあるでしょう。
洗面所を別にすれば、用途が分散されて混雑も緩和されます。
朝の忙しい時間帯も、スペースを共有せずに済むので、ゆとりが生まれて快適に使えます。
4.目的別に収納できて使い勝手がよくなる
洗面所と脱衣所を分けると、それぞれの場所に必要な物だけを収納できるので、余計な物がなくなり使い勝手がよくなります。
特に脱衣所は、洗濯用品や洗濯物、浴室で使う物など、収納量の多い場所です。
洗面所を別にすれば、その分脱衣所に収納できる量も増えるので、スッキリ片付けられて使いやすさも向上します。
5.洗面所をおしゃれな空間にできる
インテリアにこだわっておしゃれな空間にしやすいのも、洗面所を独立させるメリットのひとつです。
洗面所を脱衣所と分けて物の量を最小限に抑えられれば、雑多な印象がなくなりシンプルでおしゃれな空間に仕上げやすくなります。
好みのインテリアで整えて心地よい空間になれば、さわやかな気持ちで1日をスタートできるでしょう。
洗面所を独立させる間取りのデメリット3選
洗面所を独立させる間取りのデメリットを把握しておきましょう。
- 広い床面積が必要になる
- 建築コストがかさむ
- レイアウトによっては使い勝手が悪くなる
詳しく見ていきましょう。
1.広い床面積が必要になる
洗面所を脱衣所と分けるには、広い床面積が必要です。
まとめる場合は2畳ほどで足りますが、分けるなら最低でも洗面所に1畳、脱衣所に1.5畳は確保したいところです。
コンパクトなサイズの家では、洗面所を独立させるとリビングなどの居住スペースを圧迫してしまう可能性があります。
居住スペースとのバランスを考慮して、広さを確保できるか検討しましょう。
2.建築コストがかさむ
洗面所を独立させる間取りは、脱衣所と兼用するより費用が高くなります。
一般的に追加される費用は、次のとおりです。
工事内容 | 費用の目安 |
---|---|
床面積を増やす | 坪単価による |
間仕切り壁を設置する | 10万~25万円程度 |
ドアを設置する | 10万~20万円程度 |
給排水管を伸ばす | 5万~20万円程度 |
床面積を増やす場合は、ハウスメーカーの坪単価に応じて追加費用がかかります。
たとえば、坪単価が60万円で1坪(2畳)増やすなら、追加される費用は60万円です。
そのほか、間仕切り壁やドアをつける費用、配置によっては給排水管を伸ばす費用もかかります。
洗面所を2階などの水回りから離れた場所に設置すると、距離が長くなる分、費用がさらに高くなります。
予算内に収めるためには、別の部分でコストを削減できるか、慎重に検討しましょう。
3.レイアウトによっては使い勝手が悪くなる
主に使う洗面所が脱衣所と離れていたり、廊下などのパブリックスペースに設置されていたりすると動線が複雑になるため、使いにくくなってしまう可能性があります。
廊下や玄関付近は人の目に付きやすく、身だしなみを整える場所としては不向きです。
水やドライヤーの音が響くので、家族の間でトラブルになるおそれもあります。
洗面所が洗濯機と離れていることでムダな移動が増えたり、こまめな掃除や手入れをしなければいけなかったりと、手間も増えてしまいます。
生活動線だけでなく家事動線も意識して、効率よく使えるのか、具体的なシミュレーションをしたうえで配置を考えましょう。
洗面所を独立させた間取りがおすすめの3つのケース
洗面所を独立させた間取りがおすすめなのは、次の3つです。
- 女の子のお子様がいる
- 来客の頻度が多い
- 洗面所をスッキリさせたい
それぞれ見ていきましょう。
1.女の子のお子様がいる
女の子のお子様がいる場合は、脱衣所を仕切るなどの配慮が必要でしょう。
洗面所と脱衣所が同じスペースだと、誰かが入ってくるのを嫌がったり家族も気を遣ったりと、家族全員が思うように使えずストレスを感じてしまいます。
女の子のお子様がいる家庭では、洗面所と脱衣所を分けたほうが、タイミングを気にせず快適に過ごしやすくなるでしょう。
2.来客の頻度が多い
頻繁に来客がある家庭では洗面所を貸す機会も多いので、脱衣所と別にするのがおすすめです。
脱衣所に物が多くても、扉を閉めれば見られる心配もありません。
来客のたびに脱衣所の洗濯物を片付ける手間も省けて、洗面所を貸しやすくなります。
玄関の近くに、コンパクトな手洗い専用のセカンド洗面台を設けると、気軽に使ってもらいやすいでしょう。
3.洗面所をスッキリさせたい
洗面所をスッキリと清潔感のある空間にしたいなら、脱衣所と分けた間取りが適しています。
脱衣所とまとめると物が多くなり、雑然とした印象になりがちです。
空間を分けて、洗面所で使う物だけに絞れば、シンプルで洗練された雰囲気に仕上げやすくなります。
洗面所を独立させる間取りの成功ポイント4つ
洗面所を独立させる間取りづくりを成功させるために、注意したいポイントは次の4つです。
- 使いやすい広さを確保する
- 動線を考慮して設置場所を考える
- 十分な収納を用意する
- 採光やカビ対策も検討する
ひとつずつ解説します。
1. 使いやすい広さを確保する
使いやすい広さを確保しましょう。
独立した洗面所をつくるには、最低でも1畳は必要です。
2人一緒に並んで使ったり洗面ボウルを2つにしたりするなら、1.5〜2畳あると、ゆとりがもてます。
◆洗面所の目安となる広さ
洗面所のスタイル | 最低限の広さ | 使いやすい広さ |
---|---|---|
独立型 | 1畳 (脱衣所:1.5畳) | 1.5~2畳以上 (脱衣所:2畳以上) |
脱衣所との兼用型 | 1.5畳 | 2畳以上 |
脱衣所は、最低でも1.5畳用意しましょう。
収納量を多く確保したりランドリールームも兼ねたりする場合は、3~4畳ほどあるとよいでしょう。
2. 動線を考慮して設置場所を考える
独立させた洗面所をどこに配置するか考えるときは、慎重に動線をシミュレーションしましょう。
洗濯の下洗いをする機会が多い家庭では、洗面所が洗濯機のある脱衣所と離れているとストレスになってしまうでしょう。
洗面所と脱衣所を隣接させるか、洗濯機の近くにスロップシンクを設置するのがおすすめです。
スロップシンクとは、底が深い流しで、一般的な洗面台より洗濯や掃除をしやすいのが特徴です。
洗濯の下洗いのほか、バケツに水をためたりペットを洗ったりと、さまざまな用途で使えます。
玄関や廊下などのオープンな場所も、プライバシーが守られないだけでなく、汚れが目立ちやすいので避けるのが無難です。
玄関付近に洗面台を置きたい場合は、メインの洗面台とは別に設置するか、間仕切りで隠すなどの対策をするのがよいでしょう。
3. 十分な収納を用意する
十分な量の収納を用意しましょう。
収納スペースが足りないと、物が散らかって外観が悪くなります。
物が散らかると、必要なタイミングで取りだせず、家事に負担がかかる可能性もあります。
使いやすさを維持するためには、「何を、どこに、どれくらいしまうのか」事前に収納計画を立てることが大切です。
シンクの下や鏡の裏、壁など、使用頻度に合わせて収納する場所を考えておくと、快適に使いやすくなるでしょう。
4. 採光やカビ対策も検討する
洗面所を独立させるときは、全体が暗くならないよう採光にも配慮しましょう。
明るさが足りないと、メイクをしにくいなどの支障が生じます。
窓を高い位置に設置して、洗面所全体に光を取り込めるようにしたり、鏡まわりに照明を取りつけたりして、適度な明るさを確保しましょう。
水を使う洗面所では、湿度が高くなるため、換気扇を設置するなどのカビ対策も必要です。
調湿機能のあるタイル材「エコカラット」を壁に設けると、湿度に応じて部屋の湿気を調節してくれるほか、上質な雰囲気を演出してくれるのでおすすめです。
参考:LIXIL「エコカラット」
洗面所を独立させた家事ラクな間取り例2選
洗面所を独立させた間取りで、家事を進めやすい間取りを2つ紹介します。
- 洗面所・脱衣所・トイレ・浴室が一直線の間取り
- 脱衣所とランドリールームを兼ねた間取り
ひとつずつ見ていきましょう。
1.洗面所・脱衣所・トイレ・浴室が一直線の間取り
出典:SUUMO 建築実例
トイレ、洗面所、脱衣・洗濯室、浴室を一直線に並べてキッチンに隣接させ、家事を同時に進めやすい間取りです。
洗面所から脱衣所へ続く引き戸を閉めれば、リビングからは見られません。
独立させた洗面所は、トイレ後の手洗いや洗濯をするときもムダな移動が増えないよう、脱衣・洗濯室とトイレの間に配置。
横幅いっぱいに設けられた高窓から全体に光が届くので、程よい明るさを確保できます。
鏡の下の間接照明は、手元を照らしながら、温かみのある空間を演出する効果もあります。
水回りとLDKは、行き止まりがなく回遊できるため、家族が多くてもストレスなく行き来できる設計です。
2.脱衣所がランドリールームを兼ねた間取り
出典:SUUMO 建築実例
洗面所を独立させて、脱衣所を兼ねたランドリールームを設けた間取りです。
洗面所と引き戸で区切られたランドリールームは、スロップシンクや天吊り物干し、大容量の収納が完備された機能的な空間です。
ファミリークローゼットも隣接しているので、「洗う・干す(乾燥する)・たたむ・しまう」のステップがこのスペースだけで完結し、家事を時短できます。
独立した洗面所は、シンク下や向かい側の壁に適切な量の収納を確保しており、シンプルで清潔感のあるスペースです。
洗面所とは別に、玄関にもコンパクトな洗面台が設置されているため、帰宅後すぐに手洗いができるほか、来客にもスムーズに使ってもらえます。
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